帰天 2 「ありがとう」
金井牧師の帰天について、もう一言。
金井先生は、もう20年も前から遺言を書き留めておいたといわれるが、それを見せてもらった人はいるが、現物がどこにあるのかわからなくなっている。長い間闘病生活をされて、それがどこにあるのか、きちんと教えてもらった者はいないのだ。
生前、遺言を見せてもらった人たちの証言をまとめると、要するに、自分は今まで出会ってきたたくさんの人びとにただひたすらに「ありがとう」という内容だったという。
意識が混濁している状態で、人に世話をされるばかりの状態だったにもかかわらず、死に際になって急に懸命に言葉を発しようとされたようだ。
「あ……、あ……あああ!」と、何かを言おうとしている。それをじっと見ていた看護師さんも家族も、「これは『ありがとう』と言おうとしているんだ」と気づいたという。そして、息を引き取るとき、それまで必死に「ありがとう」と言おうとしていた顔がふーっと解放されて、「ありがとう」という表情を満面にたたえて、逝かれたという。
自分がどんな風に死ねるのかはわからないが、「ありがとう」をみんなに伝えて別れを告げることができたら、どんなにいいだろうと思う。

Comments
エピソードをお知らせくださり、ありがとうございます。
「ありがとう」をみんなに伝えて別れを告げることは、何てすばらしいことなんだと思わされました。
私は、自分の死に際を人に見られたくないと思っています。
なぜかと言うと、きっと恨み辛みや愚痴を言ってしまうだろうと思うからです。
いつになるか、なれるかどうかも分かりませんが、「ありがとう」をみんなに伝えられるようになれればと思わされました。
Posted by: kawaranochurch | November 21, 2007 at 23:14
コメント、ありがとうございます。
もし、自分の死期が近づいたことが知らされ、なおかつ自由に移動できるチャンスが与えられたなら、「ありがとう」と別れの挨拶がしたいなぁと思いますね。
苦悶のなかで、いろんな悪態をついている自分を見られるのはイヤですが、もし、別れを告げるチャンスが与えられたら、ちゃんと挨拶をして別れたいと思います。
Posted by: 牧師 | November 22, 2007 at 00:17