Rev. John Shelby Spong

ボストンの街で、Borderという大手の本屋のチェーン店に立ち寄ったときに、宗教書のコーナーに、おもしろそうな本を見つけました。おもしろそうな、といっても、ぼくがおもしろいと思っただけで、誰にとってもおもしろいというわけではないでしょうが、いかにもぼくが興味を惹かれそうな本でした。
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たとえば……
“Rescueing the Bible from Fundamentalism”(原理主義から聖書を救出する)とか、
“Why Christianity Must Change or Die”(キリスト教はなぜ変革するか、または滅亡するしかないのか)とか、
“Ressurection: Myth or Reality ?”(復活:神話か現実か?)とか、
“Living in Sin ? Bishop rethinks Human Sexuality”(罪の中に生きる? 主教は人間のセクシュアリティを再考する)とか、
“Jesus for Non Religious”(無宗教者のためのイエス)など……
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これら一連の作品の著者は、John Shelby Spong という米国聖公会の主教らしい。アマゾンなどで調べる限りは、日本語訳は出ていないようです。誰もやってくれないのなら、ぼくがやろうかな……などとゴーマンな考えがチラリと頭をかすめます(笑)。会話はあんまりだけど、訳文づくりなら、なんとかなるかな、とか(笑)。誰かに監修に立ってもらえればなんとかなるんじゃないか、などなど……。

とにかく、題名だけでも、ぼくにとっては大変興味をそそられる著者でした。簡単にプロフィールを見るだけでも、ジェリー・ファルウェルやパット・ロバートソンなどの保守派と対立して論陣を張っているようです。いま保守の大旋風が吹き荒れているアメリカで、よくがんばっているんだなぁ、と感心します。また、保守・リベラルに限らず、ちゃんと両論並立で本屋に並んでいるお国柄にも感心します。
どこかの国のアホな保守派みたいに「回収しろ、廃刊にしろ」なんて幼稚なことは言ってません。反対意見があるなら、自分も本を書けばいいのです。

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『20th Century Boys』

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浦沢直樹のマンガ、『20th Century Boys(20世紀少年)』にハマッている。
ちょうど主人公たちの年代が、ぼくらかそのちょっと上くらいの年代なのだ。万博やウッドストックなどを遠くあこがれながら子ども時代を送り、学生時代にはギター一本と歌の力で世界を変えられると信じて育った少年たちが、いつしか大人になってとんでもない世界滅亡計画にまきこまれていってしまう、近未来SFだ。
中にはクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルなんて伝説のバンドの名前が出てきたりするけれども、そんなの読んでも、今の若い人には実感ないんじゃないのかなと苦笑しながらも、なかなか読ませるからすごい。
6年間連載が続き、単行本もまだ完結していないし、話のスケールも大きくて、とても一言では紹介しきれない。もっとも紹介なんかネタバレだからしないほうがいいんだろうけど、ひとつだけ個人的に面白かったのは、世界征服を狙う悪役「ともだち」が、新興宗教のかたちで支持者を集めてゆくこと。縄でひっぱって体を吊り下げているだけなのに、その縄を操作している裏方のスタッフまで、「ああ、浮かんでいる」と恍惚とした表情で見上げてしまう、倒錯した宗教意識がよく描かれていると思った。
それから、元ヤクザの刺青入れた歌舞伎町教会のカトリックの神父さんとローマ教皇のからみがよかった。やはりこういう世界の危機のときには、世界組織であるカトリックが登場するのかな、と妙に感心したりもした。先ほどの「ともだち」のインチキ宗教と対比させて、真の宗教者が正義のために静かな戦いを展開しているところまで描かれているのが、ただのマンガじゃないな、と思った。

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『デスノート』

この「牧師館」の「Books」のカテゴリーで紹介している本は、今のところマンガばかりだけれど、まぁいいだろう。マンガ以外のオススメ本は、三十番地のサイトの中の「図書室」で紹介しているから。

最近、(遅いのだけれど)ハマっているマンガが「デスノート」。これは面白い。これはよく考えてある。
あまりにも有名なので、説明する必要もないほどだが、要するに、中に名前を書くと書かれた人間が死ぬという死神界のノートを、人間の青年が手に入れてしまうことから始まってしまうストーリーだ。
青年はこのノートを使って、世の中の犯罪者を一掃し、自分が選んだ善良な人間だけを残し、自ら新世界の神になろうとする。
そして、世の中の人びとは、世界中の犯罪者が次々に裁かれ、殺されている現実を知り、その見えない裁き主を「キラ」と呼ぶようになる。やがて実際に「キラ」を新世界建設の神として崇拝する者たちが現れる。と同時に、「キラ」を恐怖によって人類をコントロールする凶悪犯罪者として追う人びとも現れる……というお話。
追う者と追われる者の駆け引き。二重三重に塗り固められた嘘と陰謀。読み出したら止まらない面白さだ。
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読んでいて、牧師としての頭がこんなことを考えた。
善悪のはっきりしない混沌とした世の中を、はっきりと善悪二分論に分けて裁いてほしい、という欲求が人間にはあるのかな、と思った。
犯罪を犯す者が罰を逃れて甘い汁を吸い続けたり、本当に悪い奴は悠然と生きているのに、大したことはない小物の犯罪者だけが見せしめのように裁かれている。本当にこんな人間は生かしておいていいのか、と思えるような巨悪が王道を歩き、大もうけをしている。
そんな世の中だから、「神などいない」とみんな思っている。神が本当にいるのなら、なぜこの世界から戦争や暴力や犯罪がなくならないのか。もし神がいるのなら、当然裁かれてしかるべき人間が、この世にたくさんいるはずだ。実際、ウソ八百の理由をならべたてて世界中に戦争を撒き散らし、何十万、何百万という貴い命を奪って平気で正義の味方ぶっている政治家が世界にはいるではないか……と、そういう思考になるのは理解できる。
あるいは神が直接手を下さないまでも、神を信じる宗教が善悪の基準をしっかりと提示し、裁かなければならない者は裁くという毅然とした態度を示さないとだめだ、という思考がありうるのも理解できる。じっさい従来、宗教は、人間の道徳の根拠を提示してきた。神の罰、神の裁きという脅しを使って。この世で裁かれなかった者も、死後必ず裁かれる、という教えを伝えて人間を導こうとしてきた。それは宗教の大事な機能だったのかもしれない。
しかし、それに対して、イエスという人の言ったことはいかに過激であったか。彼は、「神は善人にも悪人にも、同じように太陽を昇らせ、同じように雨を降らせてくださる」と言った。神は人間が判断する善悪の基準を超えて、同じように恵んでくださる、というのだ。
どんな人間にも一片の良心はあるものだ、という人間への絶対的信頼からきているのかも知れないが、この言葉はまともに受け取ると、人間社会の秩序というものを破壊しかねない。イエスの言うことをまともに受け取ると、善人であろうが、悪人であろうが、神から見れば同じだ、ということになるのだ。一片の良心をも持ち合わせていないような犯罪者はどうするのか。
これでは、社会秩序というものが成り立たない。こんなことを言いふらす人間は、消さなくてはならない。そうイエスの時代の為政者たちが考えたのも無理はないと思えてくる。イエスは殺されるべくして、殺されたのだ。

考えようによっては、イエスは「神などいない」と言ったのにも等しいことを言ったのだ、とも考えられる。
神は裁かない。善人にも悪人にも同じように恵んでくださる。また、善人にも悪人にも同じように災いを下す。人間が期待するような裁きは、この世にはないんだよ。だって、ほら今日もあんなに悪い奴が甘い汁を吸って堂々と生きているじゃないか、という、単純な現実を言い当てているだけなのかも知れない。
その場合でも、同時代の宗教者としては、危険な存在として、イエスを消したいという衝動にかられるだろう。

いったい、イエスはどういう気持ちでこのような言葉を口にしたのだろうか。

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『家栽の人』

マンガの話がつづくが、ふだんマンガをあまり読まないぼくが、時々疲れたときにむしょうに読みたくなるマンガが、『家栽の人』。
舞台が家庭裁判所なのでホントは「家裁」のはずなんだけど、「家栽」と書くところに、この主人公の性格が現れている。主人公は、家庭裁判所の判事。家庭裁判所と言えば、家庭の事件や少年事件が主に取り扱われる。その事件に取り組んでゆく中で、主人公はまるで植物を慈しみ、育てるように、人に関わってゆく。
ひとつの事件が終わるとき、彼と関わった人は、いつのまにかゆっくりとした変化をとげている。そんな不思議な強さをもった裁判官のお話。
本当はこんな人間になれたらいいのに、と思いながら、そうはなれない自分を思い知らされながら、ページをめくる。自分にはない性格の主人公だから、あこがれるのだろうね。
Kasainohito134

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『のだめカンタービレ』

妻と子どもたちが読みながらゲラゲラ笑っているから、貸してもらって読んでみたら、ぼくも爆笑してしまった。こんなに笑えるクラシック音楽のマンガがあったのか、と本の帯にもあるとおり。
桃ケ丘音楽大学という音楽学校が舞台で、主人公の変態ピアニスト「のだめ」(野田恵)とクラシック音楽仲間をめぐってのドタバタ。主人公は一種の天才というか奇才というかピアノ科の学生のくせに楽譜が読めない、その代わり耳は異常によくて、一度聴いただけでその曲がひけてしまう。しかし、自己流のアレンジが入ってしまい、好き勝手に曲を作っていってしまう困り者。風呂は一日おき、シャンプーは5日おきで頭がくさい。けれどそこそこに地はかわいい。そんな主人公が、超エリートの千秋先輩に恋をして……というお話。その千秋というのが、世界的指揮者を目指しているのだが、飛行機恐怖症のために海外に出られず、留学もできないでくすぶっている不遇の天才。そんな二人を中心に、くひろげられるドタバタコメディ。
読んでみないと面白さはわからないけど、音楽が好きな人には楽しめるんじゃないかな、と思った。
ぼくはふだんほとんどマンガを読まないけど、このマンガは面白かったです。
Nodame133

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